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政治優先、もろい和平=アフガン(2020/02/29-14:33)

2020年2月29日

トランプ米政権がアフガニスタンの反政府勢力タリバンとの和平協定に調印する。秋の大統領選を見据えた政治的動機が根底にあるとはいえ、「米史上最長の戦争」を終わらせるべくタリバンと対話を重ね、合意にこぎ着けた意義は大きい。ただ、近く始まるタリバンとの和平交渉を前に、アフガン政府は内部分裂の危機に直面している。米軍撤収が「力の均衡」を崩す可能性も否定できず、緒に就いたばかりの和平プロセスはいつ崩壊してもおかしくはない。
米国にとって、アフガン戦争の大義は国際テロ組織アルカイダを壊滅するとともに、タリバンによる支配を阻止し、アフガンを二度とテロ活動の拠点にしないことだった。しかし、増派を繰り返しても戦線はこう着。幾度となく和平や撤収を模索したが失敗に終わり、泥沼化していた。
一方、タリバンはアフガン政府を「米国のかいらい」と見なし、直接対話をかたくなに拒んできた。今回の米国との合意でガニ政権との対話を約束した背景には、米軍という後ろ盾を失いつつある政権側より優位な立場で交渉に臨めるとの計算があるからに他ならない。
米軍を8600人に削減しても、駐留米軍規模は17年のトランプ政権誕生時と同程度(約8400人)に戻るだけで、「治安維持能力に影響はない」と指摘する声もある。だが、アフガン政府とタリバンの「最終的な和平」成立前の米軍撤収が、タリバンを勢いづかせるのは必至。国内の政治事情を優先させたトランプ氏の決断は、アフガンを再び内戦状態に突き落とす危険をはらんでいる。(ドーハ時事)